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要件定義力を徹底的に再構築する:④要件定義を簡単にしていく。すなわち、「要件」自体を再「定義」し細分化する(1/2)

要件定義を簡単にしていく。すなわち、「要件」自体を再「定義」し細分化する(1/2)

そうした難易度の高い仕事とは言え、手がないわけではない。要件定義力を上げる具体策について、今から議論を進めよう。まず初めに考えたいこと、それは要件定義を簡単にしていくことだ。もっとも、要件定義が持つ本質的な難しさを減らすことはできない。ここは変えようがない。考えなければならないことは、簡単と言えるように、仕事の細分化を図っていくことだ。そう、要件と従来捉えているものを、もう一度見つめなおし、できるように組立を変えてもらいたい。
また、要件定義で定義すべき項目も減らしたい。そもそも要件定義というのは、重要な仕事でありながら、考えるべきことが多すぎる。業務も設計し、システムも設計しなければならない。少々難易度が高すぎると言える。だから、フェーズわけをすることを考えていくべきである。

まず初めに、考えたいのは定義する項目を減らすこと、すなわちフェーズわけの議論である。あらかじめ断っておくが、システムを作るために定義することを減らすことは、本質的にはできない。だからできることは、細分化して進めること、すなわちフェーズわけである。企業によっては、予備検討というものを分けたり、プロジェクト計画というものを分けたりしている。こうしたことを、より要件定義を中心に再構成することを提案したい。
一般的に、要件定義とは、プロジェクトの目的を定め、業務要件を定義し、システム要件を定め、ベンダーへ見積もり依頼をし、価格を確定させ、価格以上になるよう効果を定めることで、要件定義を完了し、ベンダーに委託契約を行う。概ね、こうしたところへ手法が収斂していると言えるだろう。
よくよく考えてみて欲しいのだが、「プロジェクトの目的や効果を定める」というのはそうそう簡単ではない。これは、経営としての決定であり、経営の方向性や各部門の利害などに精通しなければなかなかできるものではない。言葉遣い一つに神経を使うものであり、会社の動きに精通していないと、実利があって、様々な人にとって調度良い作文はできるものではない。
また、よくよく考えて見て欲しいのだが、「業務要件を定義する」というのもそうそう簡単ではない。今の業務がどうなっているか、基本的にここに精通していないと、変更した時の正しいインパクトを知ることはできない。影響が分からないものを、変える勇気を持てるのは、まさに経営者しかいない。業務に精通することがどれだけ難しいか、これはやった人にしかわからない。将来どうあるべきか、一つ一つの業務の考え方を定める行為であり中々決めきれるものではない。新しい事業、業務の場合はなおさらだ。やったことがないので、何が正しいか、決定なんてできるはずがない。
また、ベンダーとの契約もまとめるのも、そうそう簡単な仕事ではない。一円でも安い方がいいが、ベンダーとて中々応じるものではない。もしかすると、様々なトラップを提案や契約の中で埋め込んでくるかもしれない。「なぜそう高いんだ」「もっと安くする方法はないのか」「本当にこの金額でできるのか」。経営や財務部門がそういってくるだろう。妥当な価格であるということも証明しなければならないが、ネットで調べて価格が出てくるわけでもない。
算数・数学の複雑な問題は、大問の中に小問がいくつかわけられていて、順に解いていくと、最後に全部解けるように組み立てられている問題も多い。要は、細分化して複雑な問題に当たるのだ。要件定義も同じだ。問題自体は、非常に複雑で難易度が高い。小問を区切って解いていくのである。


プロフィール

宮本 認 Mitomu Miyamoto
BA参画前は、某外資系ファームで統括を務める。17業種のNo1/No2企業を経験した異色のIT戦略コンサルタント。

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